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RAW現像ソフトSILKYPIXオフィシャルブログ

倍率色収差の原理

フィルム撮影ではあまり耳慣れない「倍率色収差」ですが、デジタルになってからは広角レンズの画面の隅のほうに強く出て目立つ場合があります。デジタル化される前のレンズなどはこのような収差を想定していない為、強く出てしまうことがあります。そんな収差もRAW現像時に緩和させることで、今まで収差が強くて「使えない」と思っていたレンズが使えるようになるのはオールドレンズファンとしても嬉しいことですね。

倍率色収差とは画面周辺部のエッジに現れる赤や緑の縁取りの事ですが、この補正方法に関しては先日伊藤の方からご説明させていただきましたのでそちらをご覧下さい。

倍率色収差補正ツールについてhttp://silkypix.exblog.jp/10960176/

ではなぜこのような収差が起きるかというと、レンズを通って来た光がイメージセンサーに当たるまでに、RGBそれぞれの色の波長ごとに結像する像の大きさが異なってしまう為です。具体的にどのような事かと申しますと、下図をご覧下さい。

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仮にこのような被写体を撮影したとします。
倍率色収差の少ないレンズではこのままの状態で撮影されます。
倍率色収差があるレンズですとイメージセンサー上では以下の図のように記録されることになります。

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この例は赤がズレてしまった例です。ズレた方向に対しては赤い線、また本来赤があるべき所には緑の線が収差として現れます。この為、輪郭部分にのみ縁取りという形で現れるのです。

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上記は青がズレてしまった場合の収差の例です。赤の時と同様なぜ「青」と「黄色」の収差が出るのかが判りますね。
SILKYPIXの倍率色収差補正に「R適用率」と「B適用率」の2つの調整項目が存在するのはこの赤(R)、青(B)いづれにも対応する為です。先日の「倍率色収差補正ツール」で除去しきれない場合はこちらで微調整することも可能です。

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【ワンポイント】

倍率色収差補正ツールはもちろん気になるところを選択するのが望ましいのですが、その中でも以下に挙げるような点に留意して選択してください。


●背景が真っ白に飛んでしまっているような明るい背景の中にあるエッジを避ける。
明るい空などが白く飛んでしまっている背景の場合は収差補正のための着目点として適しません。背景が飛んでしまっているような部分からは、多くの光が差し込んでおり、倍率色収差だけでなく他の収差の影響を強く受けた色づきが混在してしまいパラメータを追い込みずらくなるためです。


●エッジは、画面中心に対してできるだけ直交するエッジを選択する。
倍率色収差は、色ごとの結像倍率が異なるために発生する色づきです。したがって、画面中心からの放射状の線やエッジでは発生しにくく、直交するエッジで発生し易くなります。補正ための着目点としては、できるだけ直交する部分を選択することでパラメータの追い込みが楽になります。


●エッジは、できだけ画像の周辺部分を選択する。
倍率色収差の影響が大きいのは、画像の周辺部分です。正確に言うと画像の中心点から遠ければ遠い程、大きな色づきが現れます。調整に際しては、できるだけ画像周辺を着目点としてください。

(編集:横山)
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by silkypix | 2009-02-25 14:21 | 機能紹介(レンズ収差補正)