先日、小湊鉄道というローカル線に撮影に行った時の事ですが、ローカルなだけに次の列車が来るまで一時間以上間があいているんですね。駅周辺も山間部ですので特に何も無い感じです。まいったなぁ。と思いながらも仕方が無かったので駅のホームのベンチで待つことにしました。この駅には猫が何匹か住みついていて最初は私のことを警戒しておりましたが、さすがに誰も居ない駅で一時間も一緒に居るとちょっと心を許してくれたようですので撮影させてもらいました。野良猫は最初警戒心が強い場合も多くてこんな瞬間が嬉しかったりします。可愛らしいですね。
今回は猫のような柔らかい毛並みを持っている被写体のシャープについてご紹介したいと思います。
シャープの適切な量というのも一概にどのように仕上げるのがベストだと言うことは言えないので非常に難しいのですが今回は「毛並みを柔らかく」という観点で現像してみます。
上の写真からSILKYPIXの初期設定のまま○の部分を拡大して見てみます。
皆様の写真の場合はピント面のどこかを拡大してください。
猫の白い髭と背景の境界線に黒い縁取りがありますね。これはシャープによって輪郭部分のコントラストが強調されてしまった為だと思います。色と色の境界線には出にくい輪郭ですが明るさの境界線では被写体によっては出て、気になる時があります。今回の場合、初期設定ではほんの少しシャープが強いと感じました。
シャープタブの中から輪郭強調を少し弱めて縁取りが消えるように調整しました。
結構シビアな調節になるのですが、こうしてシャープ過多による輪郭の縁取りを薄くしてあげることで、出力時にアンシャープマスクをかけた時の耐性も向上します。縁取りがついたままアンシャープマスクをかけると縁も強調されて輪郭が強調されすぎてしまうのを抑えることができる為です。
【シャープに関する雑記】
よく「シャープの適正値はどうやって決めれば良いのでしょうか?」
というお問合せを承りますが、使用機材や写真の閲覧状況によって適切なシャープは変わります。
●機材関係
使用したレンズの特性
カメラの画素数
ローパスフィルターの特性
画像処理でのローパス効果(ノイズリダクション等)
●被写体
被写体の特性(柔質なものか硬質なものか)
撮影意図
被写体の画面内での大きさ
●閲覧環境
出力サイズ
鑑賞距離
私が認識しているだけでもこれ位の要素によって適正値は変わってくることがございます。
ただ最終出力物(プリントまたはモニター)で見たときに線におけるギザギザや縁取りをギリギリで抑えた所辺りが落とし所ではないかと考えています。
(編集:横山)